償還請求権の有無はファクタリングのリスクに大きく関わる重要なポイントです。償還請求権がある契約では、売掛先が支払不能になった場合に利用者がその責任を負うため、リスクをしっかり認識しておく必要があります。
償還請求権とは何か
償還請求権とは債務者（売掛先）が支払いをしなかった場合に元の債権者（ファクタリング申込者）に支払いを請求できる権利をいいます。
償還請求権ありで契約した場合は利用者が返済義務を負います。
償還請求権ありファクタリングの特徴
償還請求権ありファクタリングでは、万が一売掛先が倒産したり、支払いが遅延・不能になったりした場合、そのリスクはファクタリング利用者が負担します。
つまり、売掛金が入らなかった場合、ファクタリング会社は利用者に対して支払い請求をすることができます。このため、資金繰りの安定性を重視してファクタリングを利用する企業にとっては、かえってリスクを増やしてしまう可能性もあります。
償還請求権なしファクタリングの特徴
一方で、償還請求権なしファクタリングでは、売掛先の支払いが不可能になっても、ファクタリング会社がその損失を負います。利用者に返済義務は生じません。
そのため、万が一の際にも資金繰りに影響が出にくく、リスク回避策として有効です。
実際には償還請求権なしのファクタリング会社の方が多く存在しています。
ファクタリングを利用する際の注意点
ファクタリングを選ぶ際は、単に資金化のスピードや手数料だけで判断してはいけません。特に償還請求権の有無は、ファクタリングのリスク性に直結します。
資金繰りが逼迫している企業が償還請求権ありのファクタリングを利用した場合、売掛先の倒産や支払不能が発生すると、かえって経営悪化を招くリスクもあるため注意が必要です。
契約時には必ず、
- 償還請求権の有無
- 債権が不回収になった場合の対応
- ファクタリング手数料の内訳
といった内容を確認しておくことが大切です。
まとめ
ファクタリングにおける償還請求権は、利用者のリスク負担に大きく関わる重要な契約要素です。リコース型かノンリコース型かを正しく把握し、自社の資金状況や取引先の信用力に応じて適切なファクタリングサービスを選ぶことが、安定した経営のために欠かせません。
ファクタリングは便利な資金調達手段ですが、リスク管理を怠ると逆効果になりかねません。償還請求権の仕組みを理解し、契約内容を慎重に吟味した上で利用しましょう。